中学生の頃にあまり意味もわからないままに口ずさんでいた曲があって、
その中の一曲にポールサイモンの「僕のコダクローム」っていうのがありました。
Kodachrome
They give us those nice bright colors
They give us the greens of summers
Makes you think all the worlds a sunny day, oh yeah
I got a nikon camera
I love to take a photograph
So mama dont take my kodachrome away
そしてそのうちにいつかニコンのカメラにコダクロームを詰めて写真を撮ろう、
そんな漠然とした思いをもつようになったのでした。
だからカメラは決してキャノンなんかではなくって、
ニコンしか考えられなかったのです。
この歌を聞いて同じ思いを持った人は、
主に団塊の世代からぼくらの世代にかけて、
おそらく世界中に何百万人もいたんじゃないかな?
そしてやがてはぼくもニコンのカメラにコダクロームで写真を撮ることが出来たのでした。
それはそれは(今となっては)眩い世界がとれたような気がしたものでした。
ニコンのカメラもF、F3、F5と使い、
(今手元にあるのはその中ではF3だけですが・・・)
物欲もある程度満足されて今となっては、
つぎはライカのM3が欲しいかなとか、ツァイスイコンが欲しいかなとか、
でもやっぱニコンの最後のフィルムカメラとなるであろうF6を持ってみたいなとか、
そんなふうにも思うようになりましたが、
先日たまたま通りかかった中古のカメラ屋さんの前で
ほとんど衝動的にコダックのポラロイドカメラが欲しくなってしまいました。
しかしそこは子供じゃないし、ぐっと我慢してかわずに帰ったのでしたが、
先日、コダックのインスタントフィルム製造中止の報道・・・
実はコダクロームはすでに製造中止になっているんです。
そして今回はインスタントフィルムの製造中止。
やがてはコダック社はすべてのフィルムの製造を中止するんやろうな・・・
ニコンのカメラとフィルムにコダクローム、
ポールサイモンの「僕のコダクローム」をこれからはじめて聴く人、
決して実体験できないこの世界をどんな風に想像するのかな?