先入観って恐ろしいもので、
いったん思い込んでしまうと、そうではないと思うことが難しくなりますね。
これはこうあるべし、と思い込んでしまったら、
そこから離れて考えることが難しくなってしまう。
刺身はわさびと醤油で食べるもの、と思い込んでいたのに、
韓国に行くとコチジャンベースで食べるとか、
しばしどうにも受け入れがたかったりするのですが、
慣れてしまうとそれもいいのかなと思ったり。
いまから5年ほど前に高知に行ったとき、
そこで初めてカツオの塩たたきに出会ったのですが、
初めて食べたときはショックでしたね。
しかし塩たたきがうまい!
病み付きになったものでした。
けれどそのときのカツオのたたきですが、
塩ダレみたいなものと玉ねぎやネギなどの香味野菜いっぱいと一緒に食べるのが
その頃の主流だったような気がします。
そして先月のこと、およそ5年ぶりに高知に行ったのですが、
今の塩たたきの主流は姿を変えていました。
焼き目のはいったカツオのたたきに塩がふられているだけで、
それに柑橘とニンニクだけでいただくといった、
非常にシンプルではありますが、
それゆえに素材の味がしっかり感じられるものへと進化していました。
勝手にたたきの変遷を話しているようですが、
実際は知らなかっただけでそんなスタイルで提供する店も昔からあったのだと思います。
ただ、ちょっと立ち寄ったよそ者であるがゆえに気がついた
全体的な傾向の変化であることは間違いないと思います。
でもどちらのたたきも、病み付きになってしまいますね・・・
カツオはご存知のようにこの時期、ちょっと季節外れで、
脂ののりがあともう一歩といったところなのですが、
それでは逆張りでむしろ背のもっちりしたところを食べることに専念しました。
4月にはまた高知に行く予定ができたので、
そのときはたっぷりとハラを食べようかな。
で、普段大阪に住んでいると冬の魚といえばブリが思いつくのですが、
この時期に高知でブリを食べようという発想はありませんでした。
が、あるお店の人に薦められてブリを食べたのですが、
それがなんと、意表をつくブリのヌタ。
しかしただのヌタではなかったのです。
酢味噌に行者ニンニクの青い部分を練りこんだ緑の酢味噌。
おお。。。と思ったのですが、
これがまた病み付きになるんやな・・・